AI活用のヒント

敦賀の運送・物流現場でAIが変える予約・スケジュール管理の1日

敦賀やその周辺で運送・物流業を切り盛りしていると、毎朝のスケジュール調整が悩みのタネになる。一台一台のトラックの動き、積み込みの順番、荷主から急な変更連絡。現場は電話と紙に囲まれ、頭の中は常にフル稼働状態。特に中小規模になると、経営者自身が配車や予約の取りまとめを担う場面も少なくない。

自社でも似たような状況をよく見る。朝の事務所がバタバタして、ドライバーは出発前に「今日どこ行くの?」「急ぎの荷物は?」と確認。配車担当は電話やLINEでやりとりしながら、紙のスケジュール表を何度も書き直す。デジタル化を考えつつも、システムの導入や運用手間がかかると躊躇してしまう会社も多い。そんな現場にAIを入れたらどう変わるか。1日の流れで見ていきたい。

朝:配車担当の“詰め込み作業”が変わる

以前の朝は、電話やメールで入ってきた予約内容を、配車担当が手書きでホワイトボードに書き写すところから始まる。運転手から「急に休みになった」「渋滞で遅れる」と連絡が来れば、そのたびに予定を修正。荷主からの要望も朝になって変更されることが多く、頭の中でパズルのようにスケジュールを再構築する。

AIを導入した後は、荷主からのネット予約やメール内容が自動でスケジュール表に反映される。AIは入力内容を見ながら、車両の空き状況・ドライバーのシフト・過去の実績をもとに優先順位をつけて仮割り当てまで提案。一部の例外対応や、特殊な荷物だけは配車担当が最終チェックする形に変わる。

このとき、完全にAI任せにすると「本当はこのドライバーはこの道が得意」など現場の勘が抜け落ちることがある。個人的には、最初の“たたき台”をAIが作り、朝の15分ほどは配車担当が微調整する流れが現実的だ。逆に、朝イチから電話で細かく調整していたころに比べると、事務所の空気がずいぶん落ち着く。

午前中:急な変更対応の手間が減る

午前中は現場の動きが本格化する時間帯。たとえば敦賀発の荷物が当日キャンセルになったり、別の荷主から「昼までに集荷してほしい」と連絡が来たり。従来なら配車担当が電話でドライバーに予定変更を伝え、それぞれの状況を確認しながら調整する。

AIを活用すると、予約システムやチャット経由で入った変更依頼が自動でスケジュールに反映される。どの車両が空いているか、既存のルートへの組み込みが可能かをAIが瞬時に計算。必要があればドライバーのスマートフォンに自動で通知が飛ぶ。担当者はAIが出した案を見ながら、最終決定と細かい調整だけを残す形。

ここでつまずきやすいのが「想定外の変更」だ。たとえば、荷物の内容に特殊な条件がある場合や、ドライバーによって運転可能な車種が違う場合。AI側の設定を最初にしっかり作っておかないと、現場が困惑することがある。こうした条件は配車担当と一緒に仕様を詰めておくと良い。

日中:進捗確認や問合せ対応がスムーズに

日中は、荷主から「今どこに荷物があるか」「到着は何時ごろか」といった問い合わせが増える時間帯。これまでは、電話がかかってくるたびに事務所スタッフが運転手に連絡し、状況を確認して折り返す流れ。細切れの作業で事務所の負担が増える原因だった。

AI導入後は、配車システムとGPSなどの位置情報を紐づけて、荷主の問い合わせに自動で対応可能に。たとえば、Webの管理画面から追跡情報を確認できたり、AIチャットボットが「現在配送中です」「あと30分ほどで到着予定」と案内したりする。スタッフが都度ドライバーに連絡しなくても済む部分が増えた。

ただ、完全に問い合わせ対応をAIだけにさせると、“気持ちのやりとり”までは伝わらない。急ぎやイレギュラーな依頼が来たときは、やはり人が一度内容を確認して調整する流れが必要だと思っている。現場の判断とAIの自動化、使い分けのバランスが大事。

午後:戻り便や翌日の積み込み準備も効率化

午後になると、午前中に出発した便の戻りスケジュールや、翌日の積み込み準備が始まる。従来は、事務所で手作業で戻り便を割り振り、翌日の予約状況と照らし合わせて配車を再調整。担当者が何度もスケジュール表を書き換えていた。

AIを利用する事業所では、この戻り便や翌日の積み込みも自動で“仮割り当て”を提案してくれる。たとえば、空き時間のあるトラックや、効率よく回れるルートをAIが算出し、配車担当がほぼチェックだけで済むようになる。準備にかかる時間が短縮され、急な変更にも素早く対応しやすい。

ここでの落とし穴は、AIの割り振りが必ずしも実際の道路状況や、現場の混み具合まで考慮できないケース。AIの提案と現場感覚をすり合わせて、最終的な配車判断は人が必ず目を通すべき。導入直後は慎重に進めたほうがいい。

夕方:日報作成や実績確認の“まとめ作業”が自動化

夕方は、配車の実績や配送日報をまとめる時間帯。これまでは運転手からの口頭報告やメモをもとに、事務所スタッフが日報を作成していた。集計や転記ミスも発生しやすく、日報作成に毎日30分以上かけている事業所も多い。

AIを組み込んだ配車・予約システムでは、運転手のスマホや車載端末から配送状況がリアルタイムで記録される。AIが自動で日報をまとめて、必要な部分だけ人が確認・追記。業績の集計や月次レポートもボタン一つで出せるようになった。

この部分は導入後の“手放し感”が大きいところだが、最初のうちは運転手やスタッフの入力ルールを徹底しないと、肝心な情報が抜け落ちることもある。社内でマニュアルを作って、慣れるまで定期的にチェックする仕組みを作ることが肝心。

AI化の現実的な進め方と現場の落とし穴

AIによる予約・スケジュール管理は、紙ベースや電話中心の現場に比べて効率が上がる。ただ、最初から全自動にしようとすると現場の混乱を招きやすい。特に福井の運送・物流業は、地元ならではの細かい調整や“暗黙のルール”が多い。その部分をAIにうまく落とし込むには、段階的な導入が現実的だ。

具体的には、まず予約受付や進捗管理など『負担が大きいが自動化しやすい部分』からAIを活用する。そのうえで、配車の最終判断やイレギュラー対応は人が残す。現場の声を拾いながら、AIの設定や運用ルールを細かく調整していく流れがいいと思う。

よくあるつまずきとしては、AIシステムの初期設定が複雑・慣れないうちは逆に手間が増える、といった声。一度に全部を変えようとせず、現場のスタッフに説明会や試験運用の機会を作り、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切。

まとめ:まず何から始めるか

AIによる予約・スケジュール管理を導入すると、敦賀の運送現場の日常が一気に変わる。とはいえ、最初から全部を自動化する必要はない。まずは予約の受付や進捗確認など、スタッフの手間が多い部分を試験的に自動化し、その効果や現場の感触を確かめる。

現場の流れや荷主とのやりとりを見渡しながら、「ここならAIに任せられる」という領域から手をつけるのが現実的だと思う。小さく始めて、現場の納得感を作りながら、徐々に広げていく。まずは、今困っている午前中や夕方の作業から一つAI化を試してみるのが一歩目。

Z+

Z Plus 藤井

福井県敦賀市で、中小企業のAI活用と業務改善を手伝っています。「これ、うちでもできる?」という相談を聞くのが、いちばん好きです。

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