AI活用のヒント

敦賀の税理士・士業事務所でAIを活かす問い合わせ対応の実践法

敦賀や福井の税理士・士業事務所では、定期的な問い合わせや電話対応が日常的な業務の一部になっています。新規のお客様からのご相談だけでなく、既存のお客様からのちょっとした質問や資料の催促、役所への連絡の取り次ぎなど、内容は多岐にわたります。特に確定申告や年度末の繁忙期には、朝から夕方まで電話が鳴り止まない、そんな状況になる事務所も珍しくありません。事務スタッフや先生自身が、手を止めて電話に出ざるを得ず、本来集中すべき業務が細切れになってしまいます。

実際の現場では「せっかく作業に集中していたのに、何度も電話で中断される」「電話の内容を忘れてメモがあいまい」「事務の方が不在だと、誰も対応できない」などの声をよく聞きます。電話応対のためだけにスタッフを常に配置するのも難しい。AIを使えば何がどこまで代替できるのか、現実的にどこから始めると負担が減るのか。現場が抱える問題を分解しつつ、優先順位をつけて整理してみます。

よくある困りごと:電話と問い合わせが重なる現場

税理士・士業事務所の電話やメール問い合わせは、内容が多様です。よくあるのは「書類の進捗状況の確認」「税務署からの提出日変更の案内」「領収書の不備についての相談」などですが、中には急ぎではない雑談や、どのスタッフにつなぐべきか判断しにくいものも混じっています。

特に繁忙期、朝一番から電話が鳴り始め、対応が重なるとスタッフが手一杯になることも。税理士の先生が自ら電話を取る場面も目にします。電話に出ている時間が増えるほど、本来優先したい記帳や申告書作成が後回しになる。結果、時間外労働やスタッフの疲弊につながることもよくあるケースです。

一方で、相談内容によっては「即答できない」「資料を確認する必要がある」など、折り返し対応も多発します。メモ漏れや伝達ミスが起きやすく、後からトラブルになることも少なくありません。こうした現場の日常から見直すことが、AI導入を考える第一歩になると思います。

なぜ問い合わせ・電話で現場が止まるのか

電話対応が業務を圧迫する一番の原因は、いつかかってくるか分からない“突発性”と“中断”にあります。人は集中して作業している時に邪魔が入ると、その後再び元の作業に戻るのに時間とエネルギーがかかります。税理士・士業の場合、細かな数字や書類を扱うため、少しの中断でも大きなストレスになりがちです。

さらに、問い合わせ内容ごとに必要な対応が異なり、誰が出ても全ての質問に即答できるわけではありません。特定の担当者しか分からない案件に、他のスタッフが対応した場合「確認して折り返します」となりがち。こうして対応が分断され、かえって手間が増える悪循環が生まれます。

小規模な事務所ほど、電話を取る人・内容を判断する人・実際の対応をする人が限られているため、なおさら中断の負担が重くのしかかります。敦賀のような地方都市では、スタッフ数自体が限られていることも多いので、電話や問い合わせ対応が業務全体のボトルネックになりやすいと感じます。

AIで任せやすい部分と、人が残る役割の切り分け

税理士・士業事務所でAIが力を発揮しやすいのは、“定型的な問い合わせ”と“簡単な案内”の部分です。たとえば「営業時間」「事務所への行き方」「提出書類の種類」など、よく聞かれる内容をAIチャットボットや自動音声で答える仕組みが現実的。

一方で、顧客ごとの案件進捗や複雑な税務相談、イレギュラーな事情が絡む場合は、AIだけではカバーしきれません。こうした部分は、最終的に人が直接対応する必要があります。AIで一次受付・簡単な振り分けまで対応し、内容によって担当者に回す。こうした線引きが効率化のポイントです。

個人的な実感としては、AIで100%自動化を目指すより、「よくある質問の対応だけでも機械化する」ことで、業務の余裕が生まれる感覚。人にしかできない判断や相談は、逆に丁寧に対応しやすくなります。

AI導入時につまずきやすいポイントと避け方

AI導入でよくあるつまずきは「何をAIに任せるかの線引きがあいまい」「初期設定のままで現場の言葉に合っていない」「問い合わせ内容が多岐にわたり、AIの回答範囲を超えてしまう」などです。実際、税理士・士業の現場は専門用語や独特の言い回しも多く、AIの応答が不自然になる場面に遭遇しやすいと感じます。

また、お客様側が“AIが対応している”と分からず、誤解や不信感が生じる場合も。特に高齢の方が多い地域では「いつもの事務員さんに出てほしい」といった声が出ることもあります。

避け方としては、導入前に「AIが対応する範囲」をスタッフ全員で明確にし、お客様にも「自動応答サービスを導入しています」と一言添える案内を徹底すること。現場の言葉や質問をもとに、AIの回答例を地道に作り込む工夫も重要です。

現場での具体的なAI活用ステップ

まずは「頻度が高い問い合わせ」の洗い出しから始めます。たとえば「領収書の提出期限」「今年の申告に必要な書類」など、毎日のように聞かれている内容をリスト化。これをAIチャットボットや自動音声応答システムの“回答テンプレート”として登録します。

次に、AIが対応困難な質問や、顧客ごとに異なる内容については、一次受付の段階で「担当者が後ほど折り返します」と案内。AIから人への“引き継ぎ”フローを明確にしておくと混乱が少なくなります。

この段階で、スタッフと一緒にテスト運用し、実際の問い合わせ対応を観察。AIの返答がズレていれば、その都度修正。地元の中小規模事務所に合った仕組みに、少しずつ調整していくのが現実的な進め方だと思います。

AI導入後の効果と現場の変化

AIの導入で、スタッフが手を止めて対応する頻度が減ると、作業の“流れ”が途切れにくくなります。その分、本来の業務に集中できる時間が増え、繁忙期も落ち着いて対応しやすい。敦賀でも、スタッフ数に限りがある事務所こそ、この効果を感じやすいのではと思います。

また、AIによる一次受付や簡単な案内があるぶん、スタッフは“人が必ず対応すべき、複雑な相談”に時間を割ける。結果として、お客様満足度も上がりやすいという実感があります。

一方で、すぐには全員が慣れるわけではありません。特に電話対応の一部自動化は、最初の数週間は違和感があるもの。スタッフ同士で「どこまでAIに任せるか」を話し合いながら進めると、スムーズに現場に馴染みます。

  • 頻度の高い問い合わせはAIに任せる
  • AIのカバー範囲を明確にする
  • 人が対応すべき内容はスタッフに引き継ぐ
  • スタッフとテスト運用を重ねる

まず取り組むなら、普段よくある電話やメールの内容をスタッフで集めてみてください。そこから、AIに任せやすい部分と、人で対応すべき部分の線引きを具体的に考えるのが第一歩です。

完全自動化を目指すより、現場の負担が減る“手頃な範囲”を見つけること。税理士・士業事務所ならではの事情に合わせて、無理のない導入を意識してみてください。

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Z Plus 藤井

福井県敦賀市で、中小企業のAI活用と業務改善を手伝っています。「これ、うちでもできる?」という相談を聞くのが、いちばん好きです。

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